ル・クロワッサン（エムズフードアンドライフ）

大阪府内をはじめ、関西でベーカリー店「ル・クロワッサン」を展開する「エムズフードアンドライフ」（守口市）。看板商品の小さなクロワッサン「プチクロ」を筆頭に焼き立てにこだわり、取引先や消費者、社員など「みんなの幸せ」の実現に向けて取り組んでいる。
同社は１９８５年からクロワッサン専門ベーカリー店として創業した。当初は７０㌘ほどの大きなサイズだったが、顧客のニーズに合わせて徐々に小型化し、現在の「プチクロ」は２５㌘となっている。
一番のメリットは食べやすさ。当初のサイズは食事用だったが、今の「プチクロ」はおやつなど利用方法が増えた。また、お年寄りから子ども、男女など幅広い層が気軽に買い求められることも大きな利点だ。
小さいとはいえ、中身は本物。外国産に比べて甘みとうまみが強いオリジナル北海道産小麦と、香りの高い発酵バターを使用している。外はサクサク、中はしっとりの食感とバターの風味、表面に塗られたオリジナルシロップの香ばしい甘さが利いている。

南卓治社長が創業時から「焼き立て、実演型店舗」とこだわり、全店に焼窯を設置。プチクロは一日に何十回も製造し「焼き立て、アツアツ」のものを提供する。カレーパンは中の具材を毎日、店で炊くなど、他の商品でも「街のベーカリー」としての魅力を貫いている。
地元をはじめ、多くの顧客に支持され、現在、関西で１１の店舗、拠点を展開するしている。しかし、取り巻く経営環境は小麦をはじめとした原材料の高騰など厳しさを増す。それでも南社長は「プチクロは子どもが１００円玉を握って買いに来る。できるだけお求めやすい価格は守りたい」。
新たに注力しているのは外販事業だ。大手通販サイトやデリバリーなどで、より多様な顧客を開拓する。創業以来、培ってきた事業運営のノウハウを生かすビジネスも模索中だ。
そして、一番の願いは全ステークホルダーの幸せ。南社長は「一顧客、一笑顔・会話が店のモットー。パンを通じて元気をお届けするのがミッション」と強く意気込む。